
夕飯後に「あのころのカツゲン買って来てくれ〜」
夫がそう言う〜
あのころの?
カツゲン?
なにそれ?
カツゲン買って来たらいいのかい?
私がそう聞いたら「あのころのカツゲンだ〜」
「いつも買ってるソフトカツゲンとは違う〜」
昔懐かしい味のカツゲンが期間限定で発売されていると言う〜
そうなんだ〜
夕飯後の重苦しい空気から逃れられる〜
喜び勇んで買物に行った〜
ここまでは良かった〜
けどこの後酷い目にあった〜
コンビニにあるからと夫が言うからまずはセイコマに向かった〜
あのころのカツゲンどこだ〜
ん?
ポップはあるけど商品が無い〜
店員サンに「あのころのカツゲンはありますか?」
そう聞いたら売り切れだと言う〜
今度は他のコンビニに行ってみた〜
そこでも売り切れ〜
スーパーにないかな?
同じく売り切れ〜
どうしよう〜
まずい〜
買って帰らなかったら何こそ言われるかわかんない〜
急に脂汗がダラダラ流れた〜
その後あちこち探し回ってもどこにも無い〜
仕方無い〜
諦めてスゴスゴ自宅に戻った〜
あのころのカツゲンどこも売り切れだった〜
私がそう言ったら「ちゃんと探したのか?」
あちこち探したと答えると「ウソつくな〜」
「本当は探しもしないで売り切れだと言ってるんだろ〜」
「だいたいお前はそういう奴だ〜」
なんだそれ〜
アンタの頭の中はどうなってるんだ?
パカーンと割って見てみたいわ〜
明日又入荷するからと私が言ったら「朝一番で買いに行け〜」
朝一番?
24時間営業のコンビニの朝一番って?
何時だよ?
そう思ったけどわかったと答える〜
コンビニの商品の入荷は午前中だと予測して10時に行ってみた〜
そしたらあったからね〜
あのころのカツゲンが買えた〜
やった〜
とにかく夫は執着がハンパない〜
だからあのころのカツゲンを手にするまではおそらくグタグタが続く〜
グタグタだけならまだいい〜
苛立って家の中で大きな音を立て始めたら怖い〜
椅子をガタガタさせたり床をドンドン踏み鳴らす〜
家中の扉をバターンと思い切り開け閉めする〜
私はそれが嫌〜
その音を聞いてると頭が痛くなる〜
そうなった時はムリクリお酒飲んで素早く寝る〜
最近やっとそう出来るようになった〜
昔は心臓がドキドキして体がブルブル震えた〜
どうしようと焦ってオロオロした〜
悪いのは私なのかと思って気がついたら「ごめんなさい」
泣きながら謝っていた〜
悪くも無いのに謝るってなんなの〜
そう思えるようになるまで何十年もかかった〜
それでもまだ悪いのは私なのかな?
私がちゃんとしないから夫が怒るのかな?
時々そう思う自分が顔を出す〜
読んだ印に下のバナーを押して応援して貰えたら嬉しいです。